子どもの健診っていっぱいあるよな~
乳幼児健診全体についてざっくり分かるようにお話ししますね!
健診は何のためにあるの?
そもそも健診って何のためにあるん?
健診には大きく分けると3つの意味があります。
子どもの健康状態が分かる
健診では、身体測定や医師・歯科医師の診察、発達状況の確認などがあります。節目の年齢で受けることにより、子どもの成長を確認したり、病気や障がいを早期に発見できる場となっています。
また、健診ではその地域全体の子どもが受診しますので、自治体としては個人の健康状態だけでなく、地域の健康状態が分かります。他の地域や国全体の健康状態と比べて、どういう部分がすごくてどういう部分が課題なのかを分析し、地域の子育て支援の内容に反映するということもしています。
多職種の視点でみてもらえる、多職種に相談できる
昔は子どもの発育・栄養状況の改善や病気・障がいの早期発見が健診の一番の目的でしたが、最近は肥満やむし歯の予防、子どもの社会性の発達に対する支援、親のメンタルケアや虐待の防止など、どんどん目的が増えてきています。
これに対応できるように、集団健診には医師・歯科医師だけでなく、保健師、看護師、助産師、歯科衛生士、管理栄養士・栄養士、保育士、心理職などいろいろな職種のスタッフが関わっています。これだけ多くの職種のスタッフが関わっているサービスを受けられるのは子どもの集団健診ならではと言えるでしょう。
子育てで気になるいろいろなことについて一つの機会でまとめて相談できる場でもあります。
ん?集団健診って何や?
健診のスタイルには「個別健診」と「集団健診」の2種類があります。主な違いを表にまとめてみましたのでご覧ください。
個別健診
- 各医療機関で受診
- 対象者が受診場所、日時を選べる
- 1人ずつの受診
- 医師・看護師のみ従事の場合が多い
集団健診
- 住んでいる自治体の保健センターなどで受診
- 受診場所・日時が決められている
- 同じ会場にたくさんの受診者がいる
- 医師・歯科医師・看護師・保健師・栄養士・保育士・心理職など多職種が従事
この時期は個別健診、この時期は集団健診と自治体ごとに決められています。また後でお話ししますが、1歳6か月児健診と3歳児健診は集団健診の場合が多いです。
地域で子育てを支援してくれる人と出会える
先ほどお話ししたように、特に集団健診では住んでいる地域で子育てを支援するいろいろな職種の人が関わっています。健診の受診をきっかけにどういう支援者がいるのか、悩んでいることなどに対して地域でどういう支援が受けられるのかなどを知ることもできます。
健診を受ける時期っていつ?
健診を受ける時期って決められてるんやっけ?
法律できっちり決められているのは1歳6か月児健診と3歳児健診ですが、他にもいろいろな時期に健診が行われています。主な健診を紹介しますね!
1か月児健診
主に出産した病院などで受診します。退院の時に日時を指定される場合がほとんどだと思います。健診費用を公費負担している自治体もありますが、多くは自費での受診になります。
退院後初めての受診となる場合が多く(2週間児健診をしているところもあります)、母親の産後の体調回復を確認するとともに、赤ちゃんの活気や呼吸状態、哺乳状況や体重増加、黄疸の様子、運動機能の発達などを確認します。
3~4か月児健診
ほとんどの自治体で公費負担で実施されています。個別健診で行われる場合と集団健診で行われる場合がありますが、多くは集団健診です。
身体発育や首のすわり、股関節の状態、音への反応、肌の状態、あやすと笑うか、目でものを追うかなどを確認します。
新潟市の場合、3~4か月児健診は個別健診ですが、2~4か月頃に股関節検診として集団健診があります。
6~7か月児健診
公費負担で実施されている自治体もありますが、そうでない自治体の方が多いです。
身体発育や寝返り、お座りの様子、おもちゃへの関心、発声の様子、人見知りの様子、離乳食の状況などを確認します。
赤ちゃんの発達を確認する大切な節目の時期なので、自費であってもできればかかりつけ医で受診してください。
9~10か月児健診
ほとんどの自治体で公費負担で実施されています。個別健診で行われる場合と集団健診で行われる場合は半々くらいです。
身体発育やハイハイ、つかまり立ちの様子、バイバイなど人のまねをするか、小さなものをつまめるか、離乳食の状況などを確認します。
1歳6か月児健診
法律で決められている健診なので、すべての自治体で行われています。ただし、「1歳6か月~2歳未満」の子どもが対象なので、健診が行われる時期には自治体によって多少違いがあります。
ほとんどの自治体が集団健診で実施しており、歯科健診も同時に行う場合が多いです。
身体発育や歩行の様子、ことばの様子、やりとりの様子、食事の様子などを確認します。
3歳児健診
法律で決められている健診なので、すべての自治体で行われています。ただし、「3歳0か月~4歳未満」の子どもが対象なので、健診が行われる時期には自治体によって違いがあります。3歳0~2か月頃で行われる場合と3歳6か月頃行われる場合の大きく2つに分かれているようです。
ほとんどの自治体が集団健診で実施しており、歯科健診も同時に行う場合が多いです。
身体発育やことばの様子、やりとりの様子、食事の様子などを確認します。視力検査や聴力検査、尿検査も行われます。
5歳児健診
実施している自治体はまだ少ないですが、5歳0か月~5歳6か月頃に行われる健診です。小学校に上がる前に軽度の発達障がいを見つけ、支援につなげることを主な目的として行われます。
健診のやり方は様々ですが、保育園や幼稚園での様子を確認したり、実際に遊んでいる様子を確認したりします。身体測定や視力検査が行われる場合もあるようです。
健診では何をするの?
実際の健診はどんな感じなんやろ?
集団健診の大まかな流れや内容をお話ししますね!
大体健診対象月の1~2か月前に自治体から健診の案内が届きます。健診の日時・場所が指定され、問診票や健診内容・検査の説明、3歳児健診であれば尿検査の容器などが入っています。
事前に問診票などを書いて、母子手帳とともに受付に提出します。受付の仕方は自治体によって違いますが、コロナの影響もあって今は受付時間を対象者ごとに細かく分けていて会場についた順に受付のところが多いかと思います。
問診票をもとにお子さんの普段の様子を確認したり、お子さんと実際にやりとりしたりします。自治体によっては積み木やお絵かきなどの発達検査を行う場合があります。
身長、体重、頭囲、胸囲を測ります。健診の時期や自治体によって頭囲や胸囲は測らない場合があります。
視診、触診、聴診、運動発達の確認などがあります。お子さんの様子で気になっていることは聞きましょう(問診票に書いておくとより確実に確認できると思います)。
歯の本数やむし歯、かみ合わせの確認などを行います。歯みがき指導やフッ化物塗布などがある場合もあります。
身体測定の数値や診察・検査の結果が伝えられ、母子手帳が返却されます。普段の育児で気になること、困っていることなどの相談をしたり、必要時・希望時には栄養相談や心理(発達)相談を受けることもできます。
もし健診の結果、精密検査が必要な項目があれば紹介状が発行されます。その場合は忘れずに受診しましょう。
順番は自治体によって前後しますが、内容は大体こんな感じです。コロナの影響で集団でのお話などはなくなっているところが多く、以前に比べると短時間で終わるようになっています。
健診に行かなかったらどうなるの?
健診に行けないこともあると思うんやけど…
行けない場合でもお住まいの自治体に連絡してほしいです。
乳幼児健診が行われる時期は、子どもの身体・精神発達の成長が著しい時期で、大きな節目になっています。この時期に発育、発達や病気の有無を確認することは、子どもの健康を守るためにとても大切なことです。
ただ、子どもに病気や障がいがあり健診に行けない、定期的に受診しているので健診に行く必要がないという方や集団健診では日時や場所が指定されているため、仕事などの都合がつかず行けないという方もいらっしゃると思います。
その場合はお住まいの自治体(健診担当部署)に連絡していただき、健診が受診できない理由をお話しください。受診できない理由を確認した上でどうしたらいいかお話があると思います。
話しただけじゃあかんの?
乳幼児健診は自治体にとってその地域の対象年齢の子どもすべてに会える機会です。そのため、平成28年度の母子保健法改正によって、健診を子どもの虐待予防や早期発見に役立てるようはっきりと定められました。以前に増して健診の未受診者に対する対応が強化されています。
もちろん未受診だから虐待をしているというわけではないんですが、深刻な虐待事例は健診の受診率がとても低いのは事実なんです…
そうなんやな…
具体的に言うと、健診未受診の子どもは必ず目視で存在を確認することが必要となっています。そのため、電話で保護者の方とお話しするだけでなく、保育所や幼稚園で遊んでいる姿を確認したり、自宅などに訪問して実際に子どもと会わなければならないのです。
これも子どもの命を守るために大切な自治体の役割やということやね。
集団健診を連絡なく受診されなかった場合は自治体から電話や手紙で連絡が来ます。何回も連絡があると迷惑だと思うかもしれませんが、対応よろしくお願いします。
ちなみに、3~4か月児健診であれば6か月になる前日まで(新潟市では次の健診を受ける前まで)、9~10か月児健診であれば1歳になる前日まで、1歳6か月児健診であれば2歳になる前日まで、3歳児健診であれば4歳になる前日まで受診が可能です。もし最初に指定された日に行けなくても、時期や場所(自治体によっては複数の会場で健診を実施しています)をずらせば受診できる可能性もありますので、そういう相談も含めてお住まいの自治体にご連絡ください。