今回は1歳6か月児健診のお話です。
1歳半健診は集団健診でやるところが多いんやんな~。
そうなんです。くわしくお話ししますね!
1歳6か月児健診って何のためにするの?
何でこの時期に健診するんやろ?
子どもの成長の節目となる時期であり、法律で必ず実施するよう決められているからです。
1歳6か月児健診の目的
1歳6か月児健診は、母子保健法により自治体が必ず実施しなければならない健診であると決められていて、無料で受けられます。85%以上の自治体が集団健診で実施しています。
実施時期は、満1歳6か月~満2歳になるまで(2歳になる前日まで)です。このあいだに実施すればいいので、具体的にどの時期に健診を行うかは自治体によって違いますが、大体1歳6か月~1歳8か月の間に行われているようです。
実施内容は、問診・身体計測・医師診察・歯科診察・育児相談などです。1歳6か月は子どもの成長の節目となる時期であり、特に運動発達や言葉の様子、コミュニケーションの様子に問題がないかどうかを確認します。
下の記事では乳幼児健診全体について書いていますので、こちらも参考にしてください。
1歳6か月児健診でどんなことをするの?
1歳6か月児健診では具体的にどんなことをするんやろ?
初めての集団健診の方もいますよね。集団健診での実施内容について具体的に説明します!
問診
育児状況や子どもの発達状況、遊びの様子、食事の様子、生活リズム、保育園に通っている場合は園での様子などについて確認します。
事前に問診票を書いてもらい、それに沿ってお話しします。普段気になっていることや困っていることがあったら問診票に書いてください。また、やり方は自治体によって違いますが、簡単に子どもの発達検査を行います。
絵カードを見せて「○○はどこかな?」と聞き、子どもに指さしで答えてもらったりして、言葉の理解力を確認しているところが多いかなと思います。自治体によっては積み木を積んだり、絵を描いたりすることもあります。
人見知りや場所見知りで泣いてしまったり、固まってしまったりするお子さんも多いです。問診の発達検査で普段の様子が確認できない場合は、健診の最後の方にもう一度検査したり、お家での様子を聞かせてもらったりしています。
問診して必要と判断されれば、心理相談や栄養相談を案内される場合もあります。
発達の様子は個人差が大きいので、単純にこの時期に歩いてないから問題、言葉が出ていないから問題というわけではありませんが、歩行していない場合や言葉が出ていない場合は後日再確認となることが多いです。
身体計測
服を脱ぎ、おむつ1枚で身長、体重、頭囲を測ります。身長は仰向けに寝かせて測ります。
医師診察
聴診や触診などで、胸の音に異常はないか、大泉門は閉じているか、肌や性器の状態は問題ないかなどを確認します。また、実際に歩いてもらって歩行の様子も確認します。
医師に聞きたいことは問診票にも書いておくと確実に確認できると思います。
歯科診察
子どもを寝かせて口を開けてもらい、むし歯があるかどうか、歯の本数、歯ぐきの状態、かみ合わせなどを確認します。
歯科診察が終わったあとには、歯垢の染めだしをして歯の汚れ具合を確認したり、歯みがきの仕方についてのアドバイスなどがあります。
自治体によっては、むし歯予防のためのフッ化物塗布もしてもらえます(有料の場合が多いです)。
↓ 横浜市が作成した1歳6か月児健診での歯科診察の様子が分かりやすいので参考にご覧ください(動画に出てくるむし歯予測テストを実施している自治体は少ないです)。
1歳6か月児健診でむし歯がある子は少ないですが、3歳児健診までの間にむし歯がある子が急激に増えるのでこの時期のむし歯予防は大切です。大泣きする子も多いと思いますが、しっかり歯の状態を確認してもらいましょう。
実際の1歳6か月児健診ってこんな感じ!
実際の1歳6か月児健診ってどんな感じなん?
新潟市の1歳6か月児健診を例にしてお話ししますね!
実施時期:1歳6か月頃
実施場所:お住まいの区の健康センター・保健福祉センター
持ち物:母子健康手帳、問診票、名札シール、フッ化物塗布料金1020円(希望者のみ)
所要時間:約2時間
1歳6か月児健診の流れと具体的な内容【新潟市の場合】
健診対象月の1か月前に新潟市から1歳6か月児健診の案内が届きます。健診の日時・場所が指定され、問診票や健診内容の説明、名札シールが入っています。
健診前に案内に同封されている問診票を書いておきましょう。ことばについて、運動について、食事について、生活リズムについて、育児状況についてなどの質問があります。名札シールには健診中にスタッフが呼べるようにお子さんのお名前をひらがなで書いてください。
母子手帳・問診票を受付に提出します。受付時間は対象者ごとに細かく分かれていて、会場に着いた順に受付されます。
まず、保健師や看護師による問診があります。絵カードを使って指さし確認をするなどお子さんと少しやりとりをした後、問診票に沿ってお話しします。
服を脱いで、おむつ1枚で身長・体重・頭囲を測ります。
小児科医師による視診、触診、聴診、運動発達の確認などがあります。お子さんの様子で気になっていることは聞きましょう(問診票に書いておくとより確実に確認できると思います)。診察所見、問診内容、体格を総合的に見て、精密検査が必要と判断されると紹介状が発行されます。
歯科医師による診察の後、歯科衛生士による歯科指導、フッ化物塗布(希望者のみ)があります。フッ化物塗布希望者はここで料金1020円を支払います。
身体測定の数値や診察の結果が伝えられ、母子手帳が返却されます。問診などの結果、心理相談が必要な場合は心理相談員による心理相談、栄養相談が必要な場合は栄養士による栄養相談もあります。医師診察で精密検査が必要と判断された場合は、紹介状が渡されます。健診の最後なので、分からないことや聞き忘れたことはここで聞きましょう。
紹介状が出た場合は、忘れずに病院を受診してください。
これは新潟市の例ですが、どこの自治体も流れは大体こんな感じです。コロナの影響で集団でのお話などはなくなっているところが多く、以前に比べると短時間で終わるようになっています。
1歳6か月児健診に行かなかったらどうなるの?
もし1歳6か月児健診に行けなかったらどうしたらいいん?
何らかの理由で健診に行けない場合は、必ずお住まいの自治体にご連絡ください。ちなみに2歳の誕生日前日までは受診できるので日程を変更することも可能です。
子どもに病気や障がいがあり健診に行けない、定期的に受診しているので健診に行く必要がないという方や集団健診では日時や場所が指定されているため、仕事などの都合がつかず行けないという方もいらっしゃると思います。
その場合はお住まいの自治体(健診担当部署)に連絡していただき、健診が受診できない理由をお話しください。受診できない理由を確認した上でどうしたらいいかお話があると思います。
健診未受診の場合も自治体は子どもの存在を必ず目視で確認することになっていますので、電話で保護者の方とお話しするだけでは終わりません。通っている保育園で遊んでいる姿を確認したり、自宅などに訪問して実際に子どもと会える機会を作ることになります。
くわしくは下の記事も参考にしてください。
参考サイト
- 厚生労働省「標準的な乳幼児期の健康診査と保健指導に関する手引き~「健やか親子21(第2次)」の達成に向けて~」
- 国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査事業実践ガイド」
- 新潟県結婚・子育てポータルサイト ハピニィ「乳幼児健康診査の手引」