今回は熱中症についてのお話です。
今年も暑いみたいやから心配やわ…
熱中症にならないための対策についてお話ししますね!
「熱中症」って何?
熱中症ってよく聞くけど、そもそもどういうものなん?
体温がうまく調節できなくなり、体の中に熱がこもった状態のことです。
熱中症はどうやって起こるの?
人間の身体は体温が上がった時に、汗をかいたり皮膚の温度を上げたりすることで体温が外に逃げるような仕組みになっています。
そのため通常、体温はほぼ一定に保たれています。
でも、急に体温が上がったり、体の外に熱が逃げにくい環境にいたり、水分不足などで汗をかけなかったりするとうまく体温調節ができず、どんどん体の中に熱がこもってしまいます。
この状態が熱中症です。熱中症になるとめまいや立ちくらみ、筋肉のこむら返り、頭痛、倦怠感などが起こり、最悪の場合死んでしまうこともあります。
熱中症になりやすい状況は?
熱中症を引き起こす3つの要因があります。
- 気温が高い
- 湿度が高い
- 風が弱い
- 日差しが強い
- 急に暑くなった日 など
梅雨の晴れ間や梅雨明けの時期は湿度が高い上、まだ体が暑さに慣れておらず、熱中症になりやすいので注意しましょう!
- 高齢者や乳幼児、肥満の方
- 低栄養状態
- 下痢やインフルエンザでの脱水症状
- 二日酔いや寝不足といった体調不良 など
子どもはまだ体温調節がうまくできず、気温が高い時には体温も上がりやすいです。また、背が低かったりベビーカーに乗っていたりすると地面からの熱の影響で大人よりも体感気温が高くなるため、熱中症になりやすく注意が必要です。
- 激しい運動や慣れない運動
- 長時間の屋外作業
- 水分補給できない状況 など
熱中症を予防するにはどうしたらいいの?
じゃあ熱中症にならないためにはどうしたらいいん?
熱中症対策を具体的にお伝えしますね!
暑さを避ける
日差しのない屋内であっても室温が高ければ熱中症になります。無理な節電はせず、しっかりエアコンを使って快適な温度で過ごしましょう。また、夜でも熱中症は起こります。夜も適切にエアコンを使用しましょう。
屋内でも特に車の中はすぐに高温になってしまいます。少しの時間であっても何が起こるか分からないので絶対に子どもを車内に置き去りにしてはいけません!
体温を上げないために直射日光を避けることは重要です。外に出るときには日傘や帽子、ベビーカーの日よけなどを使って直接日に当たらないようにしましょう。日陰や屋内でこまめに休憩をとることも大切です。
ただし、熱中症警戒アラートが出ているようなものすごく暑い日はなるべく外出を控えましょう。遊びに行くときは屋内の涼しい遊び場にしてくださいね。
体から熱が逃げやすいように乾きやすくて風通しのいい服を着ましょう。また、薄い色の服の方が日に当たった時に温度が上がりにくくおすすめです。
保冷剤などを使って直接体を冷やすことも熱中症対策になります。首の周りやわきの下などを冷やすと効率的に体温を下げることができます。濡れタオルで体をふいて、扇風機などで風を送ることも効果があります。
冷却ジェルシートは貼ると気持ちいいですが、体温を下げる効果はなく熱中症対策にはなりませんのでご注意ください。
こまめに水分を補給する
体温を下げるためにはしっかりと汗をかくことが重要です。
暑い日には知らず知らずのうちに汗をかいているものですので、こまめに水分補給をしましょう。のどが渇く前や暑いところに行く前から水分をとることが大切です。
ただし、どのような種類であってもアルコールは尿の量を増やして体の外に水分を出してしまうので、「水分補給」にはなりません。飲んだ後に飲んだ分以上の水分がおしっことして体の外に出て行ってしまいます。
暑い日でもビール飲んでるからオッケーじゃないんか…!
また、激しい運動をするなど大量に汗をかいたときには塩分補給も大事ですが、通常の水分補給にはお茶や水で十分です(赤ちゃんの場合は母乳やミルクでOK)。スポーツドリンクには塩分だけでなく糖分も多く含まれていますので、大人も子どもも日常的に飲んだりはしないようにしましょう。
子どもの場合、遊びに夢中になると休憩や水分補給を忘れがちです。周りの大人が様子を見て声かけしてあげてくださいね。
体調を整える
食事をしっかりとれておらず低栄養状態だと脱水になりやすかったり、寝不足などの体調不良の時にはうまく体が働かなかったりするので熱中症になりやすいです。
しっかり3食食べて、しっかり寝て体調を整えておくことも熱中症対策になります。
でも育児してたらそれ難しい時もあるよな…?
そうなんですよねぇ…。だから体調がいまいちの時には無理をしないということも大事です。なるべく外出を控えて涼しいところで過ごしましょう。
熱中症になったらどうしたらいいの?
実際熱中症になったらどんな感じなん?
熱中症には軽症から重症までいろいろな症状があるんです。
軽症(Ⅰ度)
- めまい、立ちくらみ、生あくび
- 大量の発汗
- 筋肉痛(こむら返り、足がつるなど) など
意識はしっかりしていて、発熱はない状態です。
子どもは自分から症状を伝えるのが難しい場合が多いので、顔色が赤くなっていないか、大量に汗をかいていないか、いつもよりしんどそうにしていないかなど周りの大人がよく見ておきましょう。
・涼しい場所に移動して、仰向けに寝かせる
・衣服をゆるめ、保冷剤や水などで体を冷やす
・水分や塩分、経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)などを補給する
子どもの水分補給については、少し薄めたリンゴジュースやみそ汁の上澄みでもOKと言われています。
中等症(Ⅱ度)
- 頭痛
- 嘔吐
- 倦怠感
- 集中力・判断力の低下 など
吐き気などで自分で水分補給ができなかったり、軽症で応急処置をしても症状がよくならない場合は中等症と判断します。
・すぐに自家用車などで医療機関を受診(点滴治療が必要)
重症(Ⅲ度)
- 呼びかけへの反応がおかしい
- けいれん
- まっすぐ走れない
- 異常な高体温
- 異常な発汗、もしくは汗が出なくなる など
重症かどうかは医療者が判断しますが、ぐったり感が強く重症の可能性がある場合はためらわずに救急車を呼びましょう。
・救急車を呼んで医療機関を受診(入院治療が必要)
救急車を待つ間にも涼しい場所に移動し、体を冷やすなどの応急処置を進めてください。呼びかけへの反応がおかしい場合は無理に水を飲ませてはいけません。
とにかく熱中症かもしれない時はまず涼しい場所に移動して体を冷やすことが重要なんやな。
熱中症は死ぬかもしれない怖い病気です。大人も子どももしっかり予防して、暑い夏を健康に乗り切りましょう!
参考サイト
- 環境省「熱中症予防情報サイト」
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」
- 厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」
- 教えて!ドクター「熱中症」