今回は子どもの目についてのお話です。
おぉ。ピンポイントやね。
第1回目は目のはたらきや目がどうやって成長していくのかについてお話ししますね!
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目はどういうはたらきをしているの?
そもそも何で物が見えるんやろうな?
目のしくみについてお話しします!
目の構造
「目」というのは眼球(眼)とその周りにあるまぶたや涙腺などの付属器のことです。
眼球は物を見るために物に当たって反射した光を取り入れて、その刺激を電気信号に変え、脳へと伝える働きをしています。大人では直径約24㎜前後の球体で、中にはいろいろな働きをする部位が詰まっています。
目はよくカメラに例えられますが、レンズとなるのが「角膜(黒目)」と「水晶体」、フィルムとなるのが「網膜」です。光が角膜や水晶体を通って、網膜に当たると、網膜はその光の刺激を電気信号に変えて、「視神経」を通して脳に伝えます。
光の刺激が脳に伝わると「物が見える」ということになります。網膜にはっきりとした像を映すために、水晶体は厚さを変えて、いろいろな距離にピントを合わせる働きをしています。
眼の周りにもいろいろな部位があります。眼を守るために眼は骨で囲まれ(骨で囲まれたスペースを「眼窩」と言います)、眼の外側には「眼瞼(まぶた)」があります。まぶたはレンズキャップのようなもので、眼を乾燥や異物から守っています。また、眼をスムーズに動かすために眼球の周りには6つの筋肉がついています。
眼の表面は涙で覆われていますが、涙は上まぶたの外側にある「涙腺」で作られています。涙は眼球を乾燥から守り、酸素や栄養素を運ぶ役割をしています。涙腺から出た涙は目頭にある「涙点」に吸収され、「涙嚢」にたまった後、「鼻涙管」という目と鼻をつなぐ管を通って鼻の方へ出ていきます。
この鼻涙管が詰まっていると涙が出ていかず眼にたまることになります。これが赤ちゃんに時々見られる「先天性鼻涙管閉塞」です。また次回お話しします。
目はどうやって成長するの?
確か赤ちゃんの目ってあんまり見えてないんやんな?
そうなんです。生後1か月ではほとんど見えず、1歳で視力0.2、3歳~6歳頃に1.0くらいになります。
目の発達について
赤ちゃんの眼球は大人よりも小さいものの、形としてはほとんど同じです。ただ、物を見るためには眼がちゃんと機能するだけではなく、見たものが脳に伝えられ、脳がその情報を「見えた」と認識することが必要になります。物を見る能力のことを「視力」と言いますが、視力自体は眼というより脳の機能のことなんです。
そうなんや!
子どもの視力は生まれてすぐでは明るさや目の前の物が動くのが分かる程度しかありません。それが毎日いろいろな物を見て脳に刺激を与えられることによって、だんだん「見える」ようになっていきます。
生後1か月頃から物を捉えてじっと見ること(注視)ができるようになり、2~4か月頃に動いているものを目で追いかけて見ること(追視)ができるようになります。
いろいろな形や色のもの、遠くにあるもの近くにあるもの、止まっているもの動いているものなど、遊びの中でいろいろな物を見ることが自然と目の訓練になっているんですね。
視力は生後3か月頃で0.05、1歳で0.2、2歳で0.4、3歳~6歳で1.0くらいになります。ただし、何らかの理由で物が正確に見えにくい状態のまま過ごしてしまうと、脳に刺激が与えられず、視力の発達は止まってしまいます。
視力の発達が遅れた状態を「弱視」と言い、3歳児健診までに見つけられれば小学校に上がるまでに治すことができますが、弱視を見つけられずに6~8歳を迎えてしまうと、正確に物が見えるように脳に刺激を与えても反応できず、生涯にわたって視力が上がらないことになります。
何らかの理由って?
斜視や遠視などの他に、眼帯などで目を隠してしまうことも視力の発達を妨げる原因になります。医師の指示なく眼帯などを目にかぶせるのは避けましょう。
小さい頃の眼帯ってそんな影響があるんや…!
それでは次回、斜視や遠視、弱視など主な目の病気についてくわしくお話ししますね!
参考サイト
- 日本眼科医会「3歳児健診における視覚検査マニュアル」
- 日本眼科医会「目についての健康情報」
- 日本眼科学会「目の構造」